FOOD JOURNAL / 保存版
ドライとウェットのたんぱく質を正しく比べる|水分を除いた「乾物換算」
袋や缶にある保証成分値は水分を含む状態の数字です。乾物換算の計算手順、具体例、比較できることと判断できないことを整理します。

まず、保証成分値が示す範囲を読む
一般的なペットフードの保証分析値では、たんぱく質と脂質は「○%以上」という最低値、粗繊維・灰分・水分は「○%以下」という最大値で示されます。「たんぱく質22%以上」は、いつでも正確に22%という意味ではありません。製造ロットの実測平均値とも区別します。
DOGFOOD SPEC.の商品ページは、メーカーが公表した水分を含む状態の値をそのまま記録しています。同じ形状で水分量が近い商品を比較するには便利ですが、ドライとウェットのように水分が大きく違う商品では、表示値だけで栄養の濃さを判断できません。
乾物換算は2段階で計算する
最初に、製品から水分を除いた割合を求めます。
- 乾物の割合(%)=100-水分(%)
- 乾物換算した成分(%)=表示された成分(%)÷乾物の割合(%)×100
たとえば、ドライが「たんぱく質22%以上・水分10%以下」なら、乾物は90%、たんぱく質は約24.4%です。ウェットが「たんぱく質8%以上・水分78%以下」なら、乾物は22%、たんぱく質は約36.4%です。この架空例では、袋の数字は22%対8%でも、乾物換算すると大小関係が逆になります。
| 架空の比較例 | 表示たんぱく質 | 表示水分 | 乾物の割合 | 乾物換算たんぱく質 |
|---|---|---|---|---|
| ドライA | 22%以上 | 10%以下 | 90% | 約24.4% |
| ウェットB | 8%以上 | 78%以下 | 22% | 約36.4% |
計算結果は小数第2位以降を丸めています。実商品を比べるときは、必ず同じ時点のパッケージまたはメーカー公式情報にある数値を使ってください。
「以上」「以下」から求める値は目安である
保証値の最低値と水分の最大値を組み合わせた乾物換算は、検査で得た平均成分そのものではありません。とくに水分が「○%以下」の場合、実際の水分が表示上限より少なければ計算結果も変わります。小さな差を根拠に、一方が必ず高いと断定しないでください。
メーカーが「標準分析値」「代表分析値」「平均分析値」を別に公開している場合は、保証値と同じ欄へ混ぜず、値の種類と確認日を残します。値の定義が異なる商品同士は、小数点以下まで順位付けしても精度が上がるわけではありません。
乾物換算で分かること、分からないこと
乾物換算は、水分の影響を外して、たんぱく質や脂質などの濃度を同じ土台で見る方法です。しかし、原材料の品質、消化率、アミノ酸の構成、栄養素の利用しやすさ、製造管理、愛犬への適否までは示しません。数値が高いほど品質が良い、または健康に良いという順位にもできません。
主食として比べるなら、総合栄養食などの目的、対象となる成長段階、カロリー、給与方法、原材料、メーカーの品質管理情報も確認します。持病や療法中の犬では、特定の栄養素を自己判断で高くしたり低くしたりせず、獣医師が示す食事条件を優先してください。
1日に食べる量を比べるならカロリーも必要
乾物換算したたんぱく質が同じでも、1日に食べるグラム数とエネルギー密度が違えば、実際の摂取量は同じになりません。「100g当たり」「1缶当たり」「1袋当たり」など、カロリーの単位をそろえ、各商品の給与量と一緒に確認します。
ウェットをトッピングとして使う場合は、主食とトッピングを合わせた一日の総量で考えます。缶やパウチの一部だけを見て、犬全体の栄養摂取量を推定することはできません。
比較前のチェックリスト
- 同じ動物種・成長段階・目的の商品か
- 成分値が保証値か、標準・平均分析値か
- 水分を含む表示値か、乾物換算値か
- 水分の数字と「以上・以下」を正しく転記したか
- カロリーの単位と1日の給与量を確認したか
- 商品名、容量、リニューアル前後を取り違えていないか
参考にした資料
- U.S. FDA「Complete and Balanced Pet Food」
- 一般社団法人ペットフード協会「ペットフードのパッケージは『読み物』」
- WSAVA「Selecting a Pet Food for Your Pet」
読み終わったら、実際の表示を比べる
対象年齢と形状が同じ2商品を比較の入口にしています。掲載順による操作例であり、個別の給餌推奨ではありません。用途の違いも確認してください。
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